Business Insiderによると、日本はCOVID-19から世界第3位の経済大国になりました。国際通貨基金は、今年の日本の経済成長は過去12年間のどの時期よりも速く加速すると予想しています。そして日本の経済成長は、モバイル業界の繁栄も促しています。
Statistaによると、2022年には人口の85％がモバイル端末を使用しており、この数は増加の一途をたどると推定されるなど、日本でのスマートフォンの利用は活況を呈しています。Statistaのデータによれば、2027年にはスマートフォンユーザーが人口の94%以上、1億1550万人に達すると予測されています。現在日本の多くの人々がモバイル端末に依存し、今後さらに数百万人がモバイル端末を利用するようになると予測される中、日本のモバイルの現状を把握し、この貴重なユーザー基盤を活用しましょう。
数字で見る日本のモバイルエコシステム
- 2021年の通信市場規模の評価は1,198億ドル（Global News Wire）
- 2021年のモバイルゲームおよびアプリの売上高は186億ドルに達し、世界第2位、前年比18％増（Sensor Tower)
- モバイルゲームの市場規模は1兆円以上、あるいは72億ドル以上と推定され、今後も拡大が予測される（Statista）
- 2021年のApp StoreとGoogle Play Storeにおけるモバイルアプリとゲームへの1人当たりの支出は日本がトップで、1ユーザーあたり平均149ドル（Business of Apps)
- Google Playストアには、日本のパブリッシャーによるアプリが35,663本以上ある（42 matters）
- ほぼ97％の世帯が少なくとも1台のモバイル端末を所有（Statista）
- 2021年の年間アプリダウンロード数は25億以上に到達（Business of Apps）
- 日本のモバイル端末利用時間は過去10年で3倍になり、1人当たり1日106分に迫る（Statista)
- 2020年には日本のモバイル端末契約数は国民数を上回った（Statista）
日本のユーザーのユニークな特徴
42mattersによると、日本で売上上位のアプリの約80%は日本のパブリッシャーによるもので、残りは海外のパブリッシャーによるものです。文化的な関連性を確保するために、海外のパブリッシャーはアプリをローカライズすることがよくあります。実際にAdColonyの調査によれば、ローカライズされたコンテンツはインストール率を44%向上させるということです。日本のユーザーのニーズに応えるには考慮すべき特徴がいくつかあります。それは、アプリ内課金の優位性と、日本スタイルのクリエイティブの重要性です。
マネタイズモデルはアプリ内課金が主流
日本のユーザーは世界のどの国のユーザーよりも、アプリ内課金を通じてアプリ経済に貢献しています。 Sensor Towerのデータによると、日本のユーザーは 2017年から 2021年にかけてアプリ内課金とアプリ内サブスクリプションに 1 人あたり平均 214 ドルを費やしました。このような消費者行動の傾向は、IAP（アプリ内課金）デベロッパーが日本でのROASを最適化しスケールするための後押しになっています。
細部までこだわったビジュアルがユーザーの心を掴む
日本で人気のアプリは、細部までこだわったリアルなクリエイティブが特徴です。日本のユーザーにアピールするために、Canvaでは筆のストローク、花柄、円形のアイコンなど、日本文化のさまざまなシンボルや感情に関連したデザインを推奨しています。また、「Kawaii」、「カワイイ」文化も人気が高く、アプリのビジュアルに個性を添えています。また、欧米ではクリーンでスマートなデザインが王道ですが、日本ではそうではありません。コラージュや情報量の多いページが人気で、デザイナーは小さなスペースにビジュアルやテキストを詰め込むことになるでしょう。ビジュアルアピールは常に重要ですが、市場の競争力と現在出稿可能な広告の量を考えると、アプリクリエイティブの品質を向上させるのにこれほど良い時期はありません。
人気のアプリジャンル
ゲーム
Statistaによると、ゲームアプリは日本で最も収益性の高いアプリカテゴリであり、2021年には約134億ドルの収益を上げています。Newzooによると2021年に日本のモバイルで最も多くプレイされたのはロールプレイングゲームで、次にパズルゲームでした。Metaが2020年に実施した調査では、日本のゲーマーの48%がパズルゲームがストレス解消に役立ったと報告しており、68％が直近1カ月に開いていないパズルゲームであってもまたプレイすると回答しています。このような日本のユーザーの粘り強い気質は、長期的価値のあるユーザーを獲得したいゲーム広告主にとっても有望です。
マンガ
Statistaが実施した調査では、マンガがもう一つの主要なアプリカテゴリーだということが明らかにされました。Statistaによると、2020年だけでマンガアプリは1億9,500万ドル以上の収益をあげています。最も人気のあるマンガアプリは年間数百万ダウンロードされ、15歳から19歳のスマートフォンユーザーの3分の2にリーチしています。高校生の女性では83%に達しており、若年層にアプローチしたい広告主にとって、マンガは大きなチャンスとなります。
教育
2020年、教育アプリの人気は急上昇しました。Hatago Consultingによると教育アプリの利用時間は85%も増加し、さらにPR Newswireによれば日本におけるeラーニング市場は2021年に10億ドルの収益を上げたということです。学校が対面学習に回帰しても教育アプリは依然として教室に定着しており、例えば共同通信は、英語やコンピューターサイエンスなどの科目で教師がAIを活用した学習アプリを活用するケースが増えていると報じています。
携帯電話会社
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、日本の3大携帯電話キャリアです。Global News Wireによると、NTTドコモは日本の携帯電話契約数の42.5％を占めており、2021年には契約者数が約8,300万人、売上が15兆2,000億円に相当しました。2022年の初めから、NTTは独立したハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、5Gネットワークの近代化とアップグレードを進めてきました。
Global News Wireによると、KDDIは6,211 万人の加入者を持つ第2位の通信事業者です。離島や日本の山岳地帯でのネットワーク接続の改善に注力しており、2022年にはより遠隔地のユーザーがブロードバンドサービスと高速インターネットを利用できるようになります。この展開により、KDDIはこれまで手が届かなかったユーザー層を開拓できる可能性があります。
Global News Wireによると、SoftBankは3番目に大きい通信事業者であり、約4,560万人の加入者にサービスを提供しています。 Nokiaと協力して2021年後半に共有無線アクセスネットワークを展開して以来、同社は5G事業を効率的に拡大してきました。
日本における広告代理店文化の存在
Statista によると、日本のデジタル広告への支出は2017年から着実に増加しており、2022年には230億ドルに達すると予測されています。Google、Facebook、ironSource、ironSource Auraなどのティア1チャネルを扱うエージェンシーと提携することで、広告主は複数のチャネルで最も多くのユーザーにリーチできるようになります。
業界動向
低価格帯のプラン
日本では格安プランと格安SIMキャリアの存在がますます大きくなっています。低価格帯のプランでは、ユーザーは自分の好きなサービスやデータアクセスを柔軟に選択することができます。その多くが契約や利用料金も最小限で済むため、新しいユーザーをモバイル経済に取り込むための中間的な存在といえます。低価格プランは、KDDIやNTTドコモのほか、大手キャリアのネットワークに依拠するイー・モバイルなどの独立系ブランドによって提供されています。
動画広告
TikTokが人々のソーシャルメディア利用を一変させた今、動画広告はデジタル広告戦略として世界中で人気が高まっています。Statistaによると、日本では2021年に動画広告が約9億ドルの収益を上げ、2022年にはさらに多くの収益を上げると予想されています。中小企業にとって動画広告はハードルが高いかもしれませんが、TikTokやInstagramリールのようなショート動画プラットフォームにシームレスに溶け込むコンテンツを作成すれば、新規ユーザーを獲得する効果的な方法となります。
日本のモバイル エコシステムは相変わらず活気にあふれています。 ユーザーの注目を集め、ダイナミックな環境で競争力を維持できるように、消費者の現在のトレンドとニーズに常に触れておくことが重要になるでしょう。