魅力的な広告クリエイティブはアドネットワークへの広告出稿において成功を収めるための鍵になります。クリエイティブが優れていればユーザー獲得をスケールできますが、そうでなければ出だしから躓く事になります。ですが、教育や、旅行、エンターテインメント、そして金融といった幅広いカテゴリーに属するアプリで、適切なメッセージを伝え、ユーザーとエンゲージし、インストールへ繋げるような優れた広告クリエイティブを作り出すには何が必要なのでしょう?この記事を最後までお読みいただければ、その方法をご理解いただけるはずです。
ironSourceのアートディレクターであるGiacomo MaragliuloとクリエイティブオペレーションリーダーのShay Elkobyが紹介するヒントをご覧ください。
1.オーセンティシティ
最適なユーザーからのインストールを促すための鍵は、広告にオーセンティシティがある事です。最適なユーザーとは、アプリを長期的に利用し、プロダクトと強力な結びつきを作り出すようなユーザーの事です。まず、広告にオーセンティシティを持たせるためのヒントを紹介します。
第1に、自分のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)が何であるかという事と、何がオーディエンスを動機付けているかという事を理解しましょう。こういった事を理解すれば、広告クリエイティブにおいて鍵となるメッセージと、様々な音声効果と視覚効果を使って強調すべき事のコンセプトを構築できます。
例えば、Jiggyのターゲットオーディエンスがアプリを利用する目的として最も人気なのは、家族向けにおもしろいダンス動画を作る事でした。より具体的には、軽い「ドッキリ」として動画を利用する事でした。様々なダンスアニメーションで「おばあちゃん」を用いて、「イタズラ」や「楽しい」などのコピーを使う事にフォーカスした広告クリエイティブから、こういった要素を見てとる事ができます。また、ユーザーが流行っているミームやGIFにも強力に動機付けられている事を理解していたので、アプリ内で多くのオプションを利用できる事が確実に伝わるようにしました。
次に、中心的なアプリ体験とエンドプロダクトの両方が伝わるようにしましょう。コアプロダクトは画像編集かもしれませんが、最終的な目的がソーシャルメディアでの画像の共有なら、そういった要素もユーザーインターフェースのスクリーンショットなどの強力なビジュアルキューを使って広告内で表示するようにしましょう。
Highlightの広告クリエイティブはその好例です。コアプロダクトはInstagram用にカスタマイズできるカバーなので、広告クリエイティブはカバーを作る方法を見せる事にフォーカスしています。ですが、Instagramでカバーを公開するという最終的な目的もおろそかにせず、作成したカバーを実際に使っているInstagramのアカウントも描写しています。
2.オーディエンスへ学びを提供
オーセンティシティに関するヒントをもとに、クリエイティブでオーディエンスへ学びを提供できるようにしましょう。広告の視聴完了時点で、アプリに期待できる事とダウンロードすべき理由が、ユーザーへ正確に伝わっていなければなりません。
そのためには、2つの方法がありますが、どちらが上手くいくかを判断するにはA/Bテストを実施する必要があります。1つ目の方法は、創造性を駆使して共感できるストーリーでアプリを紹介する事です。例えば、配達用アプリの場合、一般家庭のシーンで役者たちが夕食に何を食べるかを相談し、スマートフォンを取り出してアプリを使って注文をするという展開にする事ができます。こういった広告なら、視聴者がそれほど直接的でない形でアプリの使用方法とその価値を理解できます。
または、アプリがどのようなもので、なぜ必要なのかを直接的かつ明確に伝える様々なクリエイティブ戦略をテストする事もできます。これは、最初の数秒間でアニメーションや、利用者の声、またはアプリ画面のスクリーンショットもしくは動画などのクリエイティブな要素を利用したり、広告の間中アプリの中心的な特徴を見せる事にフォーカスしたりする事を意味するかもしれません。
Anylightが用いたクリエイティブは、見せるのではなく「教える」クリエイティブの好例です。このクリエイティブは直接的で、すぐにアプリの中心的な特徴と便利である理由を伝えています。
どのようなアプローチを採用するにせよ、クリエイティブがオーディエンスを教育できるようにするという事は、最も関連性の高いユーザーだけがインストールをするという事を意味します。つまり、長期間アプリを利用し、ROASとLTVを向上させてくれるユーザーの事です。ですが、短時間の広告で全てのメッセージとセールスポイントを伝える事はできないという事を憶えておきましょう。最も重要な要素を優先的に伝え、ユーザーがストアにアクセスしてアプリをインストールしたいと思うような好奇心を抱かせる余地を残しましょう。
3.音声効果の利用
音声効果はユーザー体験を改善し、アプリ広告キャンペーンのIPMを向上させる上で非常に有効で、強力な視覚効果と組み合わせれば更に効果的になります。ボイスオーバーのナレーションや、クレッシェンド、様々な音楽スタイル、そして背景の音声効果などを利用している他社の広告を参考にしてみましょう。
TeasEarは、その動画広告で音楽と音声効果の両方を利用しています。このテンポが速くリズミカルな音楽は生き生きとしたダイナミックなビジュアルを盛り立ててエキサイティングな雰囲気を作り出し、このアプリのASMR的な側面を強調するために様々なステッカーが表示される際に音声効果が利用されています。この例では、この音声効果はこのアプリがASMRカテゴリーに属する事を伝えるのに役立っているので教育要素があると言えます。
オーディオ要素は音楽と音声効果などのように組み合わせる事ができますが、1つのクリエイティブにオーディオ要素を詰め込んでも、必ずしもIPMを向上させられるわけではなく、逆効果になってしまう可能性もあります。特定の広告キャンペーンに適切なオーディオ要素を判断するために、様々なバージョンと組み合わせてA/Bテストを行うようにしましょう。
4.広告クリエイティブに関するトレンドの研究
コンペティティブ・インテリジェンスは、優れたIPMを達成できる広告クリエイティブを作り出す上で重要な部分です。最も成功を収めている競合他社の広告において鍵となる特徴や構成要素を、自社の製品に合うように適用させながら真似る事は、ハイインパクトなクリエイティブを作り出す上で優れたスタート地点になります。Scour App Annieや、Sensor Tower、Youtube、Facebook、そしてInstagramなどで成功を収めている広告を見てみましょう。以下のような要素をチェックしましょう。
広告のタイプ
同じカテゴリーに属する他のアプリの広告を参考にして独自の戦略を構築しましょう。利用されているのは静止画の広告でしょうか?それとも動画広告でしょうか?インタラクティブエンドカードは使用されているでしょうか?いずれにしれも様々なタイプのクリエイティブで実験する必要がありますが、競合他社を観察する事は常に役立ちます。
広告の長さ
競合他社の広告の長さはどれくらいでしょう。10秒でしょうか?それとも30秒でしょうか?一般的には、アプリには15秒ほどの短い広告が最適である事が分かっています。それよりも短いとユーザーを教育したり重要なメッセージを伝えたりできないリスクがあります。ですが、長すぎればユーザーのエンゲージメントを失い、広告が終わる前に消されてしまうリスクが高まります。15秒いうのは良いスタート地点ですが、製品によってユーザーが好む動画広告の長さは異なる可能性があるので、特定のキャンペーンに最適な長さを判断する上では、大量のA/Bテストを実施する事が大切です。
画面上の効果
競合他社はメッセージを伝えるためにどのようなプロンプトや視覚効果を使っているでしょう?例えば、何かを指し示したり強調したりするために指のグラフィックを使っているかもしれませんし、ストーリーを伝えるための主人公がいるかもしれません。または、画面上にコピーが表示されていたり、生身の役者が登場しているかもしれません。