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今日、デベロッパーは、iOSにおけるユーザー獲得キャンペーン最適化やユーザークオリティ分析をするために、SKAdNetworkのコンバージョンバリューに基づいた戦略へと移行しています。こうした戦略は、ユーザークオリティ分析を行う上で必要ではありますが、いくつかの課題もあります。

  • 共通設定。すべてのマーケティングチャンネルが同じコンバージョンバリュースキーマに基づいたポストバックを受け取ることになります。
  • コンバージョンバリューをアップデートできるのは1つのソリューションまたはプラットフォームだけです。これは社内のものでもサードパーティーのものでも1つに限定されます。
  • 戦略の変更が容易ではありません。コンバージョンバリューを変える判断をした場合、すべてのキャンペーンに渡るデータと最適化の両方が損なわれることを理解するのが極めて重要です。
増加する普及率

AppleがSKAN 2.0を発表してから1年以上経ちますが、今日では多くの開発者がSKAN計測に適応した戦略を実施しています。そして、開発者の大半はコンバージョンバリューを用いています。事実、ironSourceのデータによれば、コンバージョンバリュー(CV)の普及率は、Appleが2020年11月にバグを修正してから上昇し、iOS 14.6の普及と共に加速しています。

現在、コンバージョンバリューをマッピングするための戦略は複数存在していますが、その中でも2つの戦略が主流になっています。最も一般的な方法である、アプリ内イベントをビットごとにマッピングする方法と、収益を計測する方法になります。それでは、それぞれの方法を詳しく見てみましょう。

戦略#1:アプリ内イベントを6ビットに

ビットまたはバイナリーディジットとは、一般的に1または0という2つの値のいずれかを取る基本的な情報の単位のことです。ビットを利用すれば、SKAdNetworkを通じて優先事項やシークエンスを伴わず、特定のアプリ内イベントが(少なくとも1回)発生したかどうかを計測することができます。

開発者は、最大で6つのイベントまでしか計測できません。なぜならSKANでは最大64のコンバージョンバリューしか設定できないからです。それぞれのイベントが発生したかどうかを6ビット計測した場合、最終的に64通りの組み合わせとなります。

こちらがその実例です。このデータがCV 64まで続きます。例えば、CV 10は、ユーザーがレベル20に到達し、ユーザーが会員登録したことを示しています。

長所と短所

この6ビット戦略を用いれば、ユーザーの価値の判断基準として定めた、特定イベントが発生したかどうかを計測することができます。加えて、理論的には6ビット戦略を用いて複数のネットワーク上で異なる最適化を行うこともできます。例えば、Facebookでは特定の課金イベントに向けて最適化しながら、Googleではユーザーがレベル20に到達するといった特定レベル達成に向けた最適化をすることができます。

主な短所としては、インストール後24時間以内に発生するイベントとユーザーの価値を関連付けることができないゲームでは有効でないことがあげられます。これにはハイパーカジュアルゲームだけでなく多くのゲームも含まれます。

収益の計測

コンバージョンバリュー管理のために2番目に一般的な戦略は、収益金額ごとにコンバージョンバリューを設定する戦略です。注意点として、従来までは課金の収益金額しか計測することはできませんでした。方法としては以下のものがあります。

実際の収益金額の集計

このアプローチでは、各コンバージョンバリューは、ユーザーが生み出した具体的な収益金額を表します。例えば、コンバージョンバリュー1が$0.99かもしれませんし、コンバージョンバリュー2が$1.50かもしれません。このパターンがコンバージョンバリュー63まで続きます。

63個のコンバージョンバリューにおける収益の範囲は内部ベンチマークに依存します。例えば、データによってユーザーが最初の24時間から48時間の間に$0.99から$10.99の収益を生み出していることが示されている場合は、コンバージョンバリュー1を$0.99から設定するのが論理的です。

バケット

一部の開発者はコンバージョンバリューをバケットに分割しています。例えば、CV1は、$0.99から$2.99までの収益金額、CV2は$2.99から$5.99までの収益金額などのように設定します。それぞれのバケットの範囲は異なる可能性があります。CV3は$10.99から$25.99までの収益金額になるかもしれません。バケットあたりのどの範囲が最もゲームに合っているかを判断するために、これをテストするかどうかはあなた次第です。

考え方としては、ポストバックのデータから、それぞれのバケットから収益の平均を算出できるということです。このような方法を用いることで、ユーザーの価値を分析する上で広い範囲をカバーすることができます。最大の利点としては、最もCVが高いユーザーに向けて単価最適化のために必要なデータが得られるということです。

対照的に、それぞれのコンバージョンバリューが最初のアプローチのように特定の数字に割り当てられる場合は、トラフィックの殆どがコンバージョンバリューマップの下部に位置することになり、上位の値に達する数が少ないということもあり得ます。上位コンバージョンバリューのユーザー獲得ボリュームを増やそうとしても、必要なデータが無いために効率的に最適化することが非常に困難になるでしょう。

長所と短所

この戦略の長所は、実際の課金ユーザーごとに分析できる点です。このアプローチは、最初の24時間以内にユーザーを適切に収益化でき、ARPUカーブにおいてもD0で統計的に十分な収益が発生するゲームに適しています。

しかし、この計測方法には広告収益が含まれないため、ハイパーカジュアルゲームなど広告収益をベースとする開発者は、収益金額に基づく計測ソリューションが無いまま取り残されてきました。

広告収益に基づいたユーザーバリューの計測方法

広告収益をベースとするゲーム開発者が、コンバージョンバリューと広告収益を関連付けるには、MMPまたはメディエーションプラットフォームによるソリューションが必要になります。例えば、ironSourceのメディエーションパートナーが利用できるコンバージョンバリューマネージャーは、広告収益のD0 ARPUが計測できるため、従来と変わらずD0 ROASに向けた最適化を続けることが可能です。

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Let's put these tips to good use

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