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開発者がアプリ内で広告動画を再生する用意ができているのに、実際の動画が再生されない場合、ユーザー体験が損なわれます。広告動画再生の機会を失うことは、収益の損失にもつながります。

レイテンシーデータを使って、広告を表示する機会をピンポイントで最適化することができれば、インプレッションが伸び、ユーザー体験も向上し、最終的には収益も増加します。レイテンシーを最適化する方法をご紹介しましょう。

アプリにレイテンシーの問題が発生しているか?

最初に、レイテンシーの問題が発生しているかを確認する必要があります。全くない場合もあります。まず、レイテンシーに関するデータ指標を確認しておきましょう。

  • ウォーターフォール・レイテンシーとは、広告リクエストが発生してから再生の準備が整い、再生可能な状態になるまでの時間(秒単位)を意味します。
  • インスタンス・レイテンシーとは、特定のインスタンスが広告リクエストに応答するまでにかかる時間(秒単位)を意味します。
  • レイテンシー・トレランスとは、開発者が広告表示に際して、許容できるの平均時間を意味します。

ウォーターフォール・レイテンシーがレイテンシー・トレランスよりも長い場合、つまり、広告の表示準備にかかる時間が、次回の広告表示までの設定時間よりも長い場合、レイテンシーの問題が発生します。

「レイテンシー・トレランス」がわからない場合は、自社のビジネスインテリジェンス(BI)メトリクスを使用して計算するか、実際にゲームをプレイして広告がどれくらいの頻度で表示されているかを正確に計測してください。広告の表示タイミングを観察し、予定されたタイミングで広告が表示されない場合、大きな問題となるため、表示されない理由を調査して解決を図る必要があります。

レイテンシーの問題を解決するにはどうすれば良いのか?

レイテンシーの問題を解決するには、いくつかのステップがあり、広告ユニットによっても異なります。まずはバナーとインタースティシャルから始めましょう。

最初のステップは、ロードに時間がかかりすぎているインスタンスを特定することです。LevelPlayのリアルタイムピボットを使えば、インスタンスを特定することができます。そのようなインスタンスを見つけたら、次のように削除します。

 

ポテンシャルの高いウォーターフォールを見つける

最適化が必要なウォーターフォールを特定することからスタートします。最適化することで最も大きく収益へのインパクトがあるインスタンスに注目しましょう。比較的ウォーターフォールのレイテンシーが高いが収益が大きいアプリ、広告ユニット、国グループを探してください。

次に、特定したアプリ、広告ユニット、国グループをウォーターフォールフィルターとして、過去7日間からのウォーターフォールを生成します。レイテンシーを最適化するには、ウォーターフォールの指標に「収益」「収益のシェアオブウォレット(SOW)」「インスタンスのレイテンシー」「eCPM」を含める必要があります。必ずeCPMを使ってソートしてください。

問題のあるインスタンスの特定する

次に、ターゲットを特定します。ウォーターフォールの遅延を引き起こし、それが原因で収益が上げられていないインスタンスを特定します。

最初に、ウォーターフォール内にインスタンスがいくつあるか数えます(Unity LevelPlayの場合、メディエーション管理ページに移動すれば、ウォーターフォールのCSVをダウンロードすることができます)。

こうすることで、ウォーターフォールが長いか短いかを確認することができます。これは重要なプロセスです。ウォーターフォールが短い場合、遅延の問題を引き起こしているインスタンスはほんの数個です。しかし、ウォーターフォールが長い場合(例:50以上のインスタンス)、問題のある多くのインスタンスをピンポイントで特定する必要があります。

次に、収益フィルターを使用して、収益への影響が最も少ないインスタンスを見つけます。収益の0.3%未満を構成するインスタンスの特定からスタートするのをお勧めします。

 

次に、フィルタリングの結果、検出したインスタンスの数と、それらの収益におけるシェアオブウォレット(SOW)の合計を算出します。収益のシェアオブウォレット(収益のシェア)に貢献するインスタンスと、レイテンシーを引き起こすインスタンスとのバランスを取ることが大切です。一般的には、収益のシェアオブウォレットの減少を約6%以内に留め、できるだけ多くのインスタンスを削除するのが望ましいとされています。シェアオブウォレットの6%以上を削減することはリスクが大きすぎるため推奨しませんが、3%未満を削除しても、レイテンシーの向上に十分な効果が出ない可能性があります。

そのため、もし最適化対象インスタンスの合計数と、それらのインスタンスの合計シェアオブウォレットが6%以上または3%未満の場合、必要に応じてフィルタリングを調整する必要があります。シェアオブウォレットが高すぎる場合、フィルターを0.2%に下げてみて、もし低すぎたら0.4%に上げてみます。

このプロセスを行う際には、以下の点にご注意ください。

  • 非ビディングインスタンスのみ
  •  ウォーターフォールの下位ではなく、上位にあるインスタンスを重点的に最適化。下位にあるインスタンスは上位のインスタンスほど、遅延を引き起こしません。

短いウォーターフォールのレイテンシーを削減する

短いウォーターフォールでも、レイテンシーの問題が発生する可能性があります。そのような場合、レイテンシーはウォーターフォール内のインスタンス数が多いことが原因ではありません。むしろ、高レイテンシーとなっている特定のインスタンスが原因となっています。ですから、インスタンスレイテンシーに注目する必要があります。

ウォーターフォールの上位に高レイテンシーのインスタンスがないか確認してください。問題のあるインスタンスを特定できたら、そのインスタンスへの対処方法を策定します。もし収益のシェアオブウォレットが低い場合、それを削除した場合のA/Bテストを行います。問題あるインスタンスがウォーターフォール内で大きなシェアを持っている場合(例:5%以上)でも、削除した場合を想定したA/Bテストを行います。この場合、削除した場合のパフォーマンスについて、特に注意する必要があります。

インスタンスを削除した場合をA/Bテストする

削除を検討しているインスタンスを選出したら、A/Bテストを実行します。「Aグループ」を元のウォーターフォールとし、「Bグループ」を、削除対象インスタンスを実際に削除した新しいウォーターフォールとします。グループ間の違いが削除対象のインスタンスの有無だけであることを確認してください。そうでない場合、収益の増加(または減少)の原因をピンポイントで特定したことにはなりません。

テスト結果を分析する場合、KPIに注意してください。「Bグループ」ではウォーターフォールのレイテンシーが減少しているはずで、これによりDAUあたりのインプレッション数、ARPDAU、ARPUが増加します。

動画リワード広告の場合は?

動画リワード広告の場合、プログレッシブローディングのため、レイテンシーの最適化は少し異なるプロセスで行います。プログレッシブローディングでは、あらかじめ広告の読み込みプロセスが設定されています。つまり、ユーザーが最初の広告を見ている間に、2つ目の広告が既に読み込みを開始し、これ以降も同様に続きます。他の広告と同様に、動画リワード広告でもレイテンシーが発生する可能性があります。ですが、プログレッシブローディングのおかげで、レイテンシーが発生するとしても、セッションの最初の動画(セッションの深さ1)だけとなります。

ウォーターフォール内の動画リワード広告のレイテンシーを調べる場合、「Session Depth」ごとにウォーターフォールを分けて分析し、ウォーターフォールレイテンシーを確認します。さらに、次の2点を確認してください。まず、連続再生が想定される動画リワード広告枠のレイテンシー(2つ目以降の動画からのレイテンシー)が、1秒未満であること、2番目に、初回の広告再生のレイテンシーが高くないことを確認してください。これらの2つのテストにパスしないインスタンスは、調査する必要があります。また、そのようなインスタンスを削除した場合を想定したA/Bテストを行うことも有効です。

*インスタンスを削除することを決めたら、それが後のセッションにどのような影響があるかを必ずご確認ください。まずは「View」から「Session depth」フィルターを削除して、ご確認ください*

ウォーターフォールのレイテンシーをより深く掘り下げるほど、より効果的に最適化を行うことができます。そして、始めるのに遅すぎることはありません。レイテンシーの最適化はユーザーにとって、より良い体験の獲得につながり、開発者はインプレッションと収益を増やすことができるという「ウィンウィン」の結果をもたらします。

Let's put these tips to good use

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