アプリマーケターは現在、新しいオーディエンスにリーチするための手段をこれまで以上に豊富に備えています。しかし、豊富な選択肢があるにもかかわらず、多くのアプリマーケターはユーザー獲得(UA)のためにソーシャル広告ネットワークだけに頼っています。
これは部分的には、多くのアプリマーケターが ユーザー獲得を効果的に行うにはソーシャル広告ネットワークで十分だと考えているためです。しかし、これではスケール、最適化、レジリエンシーなど、SDKネットワークによってアプリにもたらされる絶大な効果を見逃してしまいます。マーケターがソーシャル広告ネットワークのみを利用するという選択をすると、そのすべてが取り残されることになります。
ここでは、アプリマーケターがSDKネットワークを利用すべき理由のほか、アプリマーケターがこれを利用することの妨げとなる一般的な誤解、また ユーザー獲得マーケティングチャネルを多角化しないという選択をした場合に見逃すことになる影響力の強いリソースについて述べます。
未開拓の成長の機会を捉える
スケーラビリティはアプリの成功の尺度であり、効果的なスケーリングを行うには、どれだけ幅広いユーザーを獲得できるかが鍵となります。ソーシャル広告ネットワークが大きな成長の機会を持つのは確かですが、市場全体を捉えているわけではなく、それに近づいてさえいません。
言い換えると、マーケティングチャネルをソーシャル広告ネットワークだけに制限すれば、SDKネットワークを通じて利用できる未開拓のスケールを獲得するチャンスを見逃すことになり、その結果、アプリの成長の可能性を制限することにもなります。ソーシャル広告ネットワークと並行してSDKネットワークを利用すれば、このスケールの損失が軽減されます。
市場とチャネルポリシーの変化に対するレジリエンシー
ソーシャルネットワークを超えた拡張には、市場とチャネルポリシーの変化に対するレジリエンシーという付加的な利益もあります。
ソーシャル広告ネットワークはSDKネットワークとは異なる要件に基づいて機能しているため、独自の基準に従う必要があります。使用しているアプリは現在、これらのガイドラインに従っているかもしれませんが、そのガイドラインは常に新しくなり、更新され続けます。ガイドラインに変更があれば、それに合わせてアプリをすばやく対応させなければなりません。そうしないと、ユーザー獲得はストップしてしまいます。マーケティングミックスを多角化することにより、成長のための別の方法を備えたバッファを設けることができます。
ですがそれは、単に規制レベルでの話です。ビジネスレベルでは、これらのソーシャルネットワークの先にある会社では、しばしば会社の方針が変更されます。方針が変更されると、新しい要件を満たすために膨大な作業が発生することもあり、そのために成長の機会が失われる可能性もあります。マーケティングミックスにSDKネットワークを加えることで、変更される可能性のある方針に対し、完全にはレジリエントではなくても、よりレジリエントなユーザー獲得戦略を構築することができます。
最適化のためのより大きなツールボックス
多角的なユーザー獲得マーケティングミックスの大きな利点は、優良なユーザーにリーチするための複数のプロセスを持てることです。それぞれのSDKとソーシャル広告ネットワークには、アプリに適したユーザーを獲得するための最適化の方法が備わっています。しかし、ソリューションが違えば、得られる結果も違います。このことは、マーケティングチャンネルがサイロ化していたり、それぞれ別々に使われたりする状況では、弱点となります。とはいえ、全体的で多角的なマーケティング戦略の一部として使えば、適正な価格で優良ユーザーにリーチするためのより多くのツールにアクセスできることになります。
ユーザーに対する優先順位付けは、ネットワークごとに異なります。そのため、ソーシャル広告ネットワークでは本当に獲得したいユーザーが見過ごされ、SDK ネットワークがそのギャップを埋めるのに役立つこともあれば、その逆もあります。アルゴリズムソリューションのツールボックスが大きいほど、高度な最適化が行え、アプリに適したユーザーを獲得できる可能性が高くなります。
よくある誤解:SDK ネットワークの実装
SDKネットワークをユーザー獲得ミックスに取り入れることには多くの明確なメリットがありますが、このことに積極的でないアプリマーケターもいます。これには、人員面や資金面で多くの投資が必要となることが大きく関係しています。しかし、大部分は共通する2つの誤解から生じています。
誤解 1:SDK ネットワークの実装と最適化は手作業の工数がかかる
SDKネットワークの実装と最適化にまつわる一般的な通説は、結果を引き出すには多くの手作業による管理が必要となるというものです。確かに過去にはそのとおりでしたが、この業界では大きく効率化と自動化が進んでいます。この傾向は、最適化において特に顕著です。
自動入札オプティマイザーなどの進歩により、面倒な手作業の多くが不要になっています。たとえば、ironSource Ads tCPAオプティマイザーでは、機械学習機能により、特定のアクションに基づいて入札が最適化されます。以前なら手作業で行っていたこれらのことも、現在は合理化され、最適化するアクションと価格を設定するだけで済むようになっています。
誤解 2:ROASは把握しづらい
SDKネットワークを正しく利用するための重要な測定基準は、広告費用対効果(ROAS)です。これは、キャンペーンのランニングコストに関連して生まれる収益の尺度です。SDKネットワークを効果的に利用するには、アプリマーケターは把握すべき ROAS の目標を明確にする必要があります。これを明確にしないと、支出が収益を上回り、ユーザー獲得のために収益以上の費用がかかってしまうことがあります。
一般的な懸念は、効率的なROASは特定が難しく、信頼できるROASのベンチマークを作成するには SDK ネットワークを深く理解し、最適化する必要があることです。歴史的に見るとそのとおりでしたが、業界ではこの懸念は過去のものになりつつあります。大部分のSDKネットワークではアカウントマネージャーを配置していて、マーケターが理想的なROASを計算するための支援をしています。また、ROASの把握は、現在では適切な式とツールにより、はるかに簡単に計算できるようになっています。
マーケティングミックスの多角化によるユーザー獲得パフォーマンスとレジリエンシーの向上
ソーシャル広告ネットワークはパフォーマンスとスケールを備えていて、ユーザー獲得チャネルに組み込む必要がありますが、SDKネットワークをマーケティングミックスに加えることでさらに大きな成長が見込めます。その上、マーケティングミックスを多角化することで、アプリのユーザー獲得戦略はよりレジリエントなものになり、規制レベルでもビジネスレベルでも方針の変更に対応できるようになります。容易にアクセスできる自動オプティマイザーや包括的なアカウント管理と組み合わせることで、アプリマーケターはSDKネットワークを容易にマーケティングミックスに取り入れ、より多角的で効率的なユーザー獲得戦略を進めることができます。
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